2月4日(日)、鈴木楽器でグレゴア・マレのセミナーが開催されました!

今回のセミナーは非常に貴重な機会だったと思います。いくつかの事情が重なって、たまたま今回セミナーをやることになったようです。

内容は非常に難しいところまでいきましたね。彼は「ハーモニカ奏者」である前に「ジャズミュージシャン」というタイプなので「持ち方はこうで、吹き方はこうで…」などレクチャーする人ではない(笑)しかし最初に話し始めた時にロングトーンの重要性のことから説明したのにはびっくりしました、彼は今回のセミナーは本気だなと確信しましたね(笑)以前、外国でセミナーをした時には全然たいした話もしなくて時間も余ったくらいなので...

コードのアルペジオ練習パターンは非常に興味深く、ためになりそうなので紹介します。
例えばDマイナー7(レ・ファ・ラ・ド)の後に3度と7度を半音上げてDメジャー7(レ・ファ#・ラ・ド#)、次に1度と5度を半音上げてEbマイナー7(ミb・ソb・シb・レb)、そしてまた3度と7度を半音上げてEbメジャー7(ミb・ソ・シb・レ)、これを続けていく、というもの。単にメジャー、マイナーの練習以上の効果が期待できそうなパターンですね。実際これをクロマチックハーモニカで流れをスムーズにやるのはとても難しいことです。

アドリブのアウトするフレーズについての質問があり、それに対する解説も興味深いものでした。ただ、質問者の方の聞きたい情報よりも解説が難解になってしまったのが、グレゴアらしいというか(苦笑)。質問は「II V Iなどのオーソドックスな進行に対して浮遊感のあるアウトフレーズをいくつか紹介してほしい」というものでした。この質問者の聞きたいことはよ〜くわかりますね。おそらくこれが、セミナー慣れしている指導者などであれば、「例えばこんなフレーズなんて面白いんじゃない?」と例を出し、みんなで「へ〜」となって「ねぇ、良い感じでしょ!」という展開が予想出来そうですが(笑)今回のグレゴアは本気だったので「アウトのアプローチはとても沢山のことがあるんだけど…」と苦笑いしつつ、いろいろと解説してくれました。これらを聞いてて思ったのは(英語力がついていけないので、細かい部分まではよくわからなかったですが)、一応セオリーとしてアウトサイドフレーズを組み立てる概念は説明出来るけど、じゃあそれをどう「クールにプレイするのか」は、やはりその人のセンスや歌い方がもっとも大事なのだな、と感じましたね。
だから難しい核心に迫ってしまうと話がややこしくなるから、セミナー慣れした人であれば、例を出してサラリと解説する術を知っているのでしょうけど、グレゴアは真摯に受け止めて解説してくれたことになんだか彼の心意気を見ましたね(笑)とても良い時間でした。

一つ紹介すると、「II V7 I のIIを考えずにV7 Iだけ主に考えてる」と解説してました。これは個人的にとても腑に落ちましたね。彼のプレイからはIImからV7に進行するようなオーソドックスなフレージングがあまり感じれなかったのは、そもそも考えてなかったからなんだ(笑)V7からIのフレーズを常に考えている。特にコンテンポラリーなプレイヤーはそのように考える人が結構いますね。V7-I だけを考えることで、頭の中はよりシンプルになるし、IImフレーズに縛られないのでより自由にフレーズを作れる。彼の浮遊感のある演奏の一つのポイントですね。

今回のセミナーはとても良いものだったと思います。僕は進行のお手伝い役として参加したのですが、当初「グレゴアはあまりしゃべらないのでは…」と思っていたので、こちらで質問をいくつか用意し、それに答えてもらうような形で進行させていこうと考えていました。しかしいきなり自らしゃべり始めて進行していきましたので、それだったら話の腰を折るようなことはせずに彼の流れに任せようと思いました。思わぬ誤算でしたね。その分、英語のままガンガン話が進んでいき、僕もなんだからさっぱりな時間も相当ありましたが(笑)会場には英語が堪能な方が何人かいて、皆で協力しながら進んでいき、アットホームな雰囲気になったのは良かったかと思います。皆様ご協力ありがとうございました。

これまで海外のハーモニカプレイヤーが日本に個人的に遊びに来た時は、僕がセミナーを企画・開催を何度かしたことがありますが、グレゴアの場合はコンサートのプロモーターが彼らを日本に呼んで興行をしているわけだから、プロモーター以外の人間がこのような企画を作ることは普段は出来ません。
最初にも書いたように、しかし今回は事情があり、鈴木楽器の協力でこのような機会となったようです。またグレゴアにセミナーしてほしいですが、今後は実際難しいかもしれませんね。今回は本当に貴重でした!

    2月4日(日)、鈴木楽器でグレゴア・マレのセミナーが開催されました!” に対して1件のコメントがあります。

    1. しい より:

      セミナーの内容公開、ありがとうございます。
      行きたかったです。
      これから京都のライブ2日間、楽しんできます〜

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