リードプレート

最近、愛器「FABULOUS F-64C」のリードプレートを交換しました(リード折れなどしたわけではありませんが)。それで、新しいリードプレートが来るまでに「SIRIUS S-64C」を付けていたのですが、いや〜、今更ながらこの2つのプレートの違いをもの凄く感じました。

ファビュラスのリードプレートは低域成分から高域成分までまんべんなく綺麗に出てる、という印象。対してシリウスは中低域成分が多い、というか高域成分が控えめ。「メロー」とか「柔らかい」とか「太い音」と言われるような感じの音と言えば良いでしょうか。う〜ん実に興味深い…。

これらのリードプレートやリード自体。設計や材質もろもろ一緒とのこと(グレゴアモデルも)。ただ一つ違うのはリードプレートを作る行程。シリウスはプレートのリード部分の穴(窓?)をデッカイ機械で打ち抜く(プレス)のですが(超強力で精密な機械、しかも2度抜きするシェービングというこだわりの技法とのこと)、ファビュラスはワイヤーカットといって、細いワイヤーで穴のひとつひとつを時間かけて切り抜いてゆくのです。その加工自体の違いでこれだけ音に違いが出るんだーーーと思うと、う〜ん、楽器作りは奥が深いと思わざるをえない…。肉眼で見てみても僕には違いが全く分からなかった。
しかしこれは決してファビュラスが上でシリウスが下と言うわけでは無く、バリエーション、という感覚と考えて良いでしょう(スティービーはファビュラスも持っていますが、シリウスの方がお気に入りらしいしね)。
キンキンした成分を出さずに、甘い音、重心ちょい低めな音で攻めたいのであればシリウスプレートの方が出しやすいでしょう。コントロールで明るく抜ける音もメローな音も出すつもりならファビュラスプレートかな。僕はファビュラスプレートに慣れてるから、そっちの方がコントロールしやすいけど、ファビュラスボディー&シリウスプレートで何度かライブでも使いましたが、これはこれで非常に好感触でした。とっても良い音でしたね。むしろ自然に甘い音が出るので楽だったかも(笑)
でも同時に思ったのは、自分でコントロールするのが楽しいファビュラスという楽器は、こんな手間ひまかかった仕事の上で出来上がってる楽器ならではのものなんだな〜と、つくづく…。

    リードプレート” に対して4件のコメントがあります。

    1. bunji より:

      面白いですね。ちょっとした物理的事象の差でそれだけ大きな変化がつくんですから。

    2. koei より:

      ほんと、つくづく思いました。そのこだわりが音に反映されるんですよね〜。どんな楽器でも当り前のことなんだけど、ハーモニカは「工業製品」というような部分(パーツ)も多いから見過ごされがちのような気がしてます。値段の違いは材料の違いではないんですよね〜。

    3. Katsuya より:

      なるほど、リードプレートが高いわけだ。
      テンホールズのファビュラスはどうなんでしょう?
      同じくワイヤーカットですか?

    4. koei より:

      Yさんに聞いてみましたー。回答をいただいたのですが、いろいろ興味深いこと、みなさんにも知ってほしいことなどがあったので、新しい記事として投稿しますね〜

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